一万円の使い道〜はじめてのパチンコ編〜
前回のあらすじ
「なら」って何だ
てな訳でいざパチンコ屋へ
AM8:30
オタクの朝は早い。
いや早すぎる。発案者の舞から「開店から並ばないと座れないっすよ」って言われたけどそれでもキツイ。しんどい。昨日の酒は身体に残ってるわ疲れは取れてないわで集合場所までの移動中、この企画を発案した人間と、あのツイートを大賞に選んだ人間を缶コーヒーを飲みつつ恨むのであった。
そしてその後、この憎しみはますます増大するものとなるのである……。
AM10:05
集合時間より少々遅れ、本日の同行者であり本企画の大賞を取った人間でもある舞と合流。
ちなみに彼はぼくがジョラゴンループを教え、真のジョラゴン使いにしたいわばジョラゴン使いとしての弟子みたいな存在なのである。
そんな弟子みたいな存在である彼に今日はパチンコを指南していただく。世の中とはわからないものだ。
早速入店しようとしたところ、舞よりこんな話が。
「1円と4円、どっちにします?」
???
どっちも何も、ぼくは右も左もわからない超初心者であり、その言葉の意味すら分からなかった。
のでよく説明を聞いてみると、こんな意味があったようで、
・1円〜1玉1円で長く遊べるけど民度は低い
・4円〜1玉4円で出玉も少ないが、換金率も良く民度も良い
最後にトドメの一言
「同じに見られたくないなら4円をオススメします」
迷わず4円を選択。
そんな予備知識を教えてもらい、いざ入店!
耳を襲う爆音!!!!
せんどう「うるせえ!!!!!!!」
舞「だからイヤホン必須って言ったじゃないですか!!!」
前日に舞から「うるさいからイヤホン必須ですよ」と言われていたのを忘れ、丸裸で入りテロを受ける間抜け。だから人の話は聞けとあれほど……。
そんなこともあり本日の目的でもある「シンフォギア」の台へ。
舞「どうぞ」
せんどう「いやどうぞと言われても分からんのだが?」
そう、せんどうはガチで何も分からないパチンコ素人。台の前に座らされても一から遊び方が分からないのだ。
舞「まずはここに予算を入れてください。」
せんどう「え、これ全部!?」
手には本企画のために用意された一万円札。マジでこれぶっこむのか……。
せんどう「えーいままよ!GO!」
満を持して一万円投入!
舞「次はとりあえず右にあるのを捻ってください。」
せんどう「これか?」
回しが甘く弾詰まりを起こす。
「やばい、怖い黒服のお兄さんに怒られて店の裏に連れて行かれるのか?」という余計な心配をするも店員さんがすぐに対応し、またすぐ遊べる状態に。
見かねた舞がハンドルを1円で固定。とりあえずはこれでやってみる。
しばらく二千円分ほど打ってみる……
が変化は何もなし。
舞「僕ならもうこの時点で台変えますね〜」
せんどう「じゃあ別行くぞ」
舞「じゃあ払い戻しボタン押してください」
せんどう「お?これか?」
押すと手のひらサイズのICカードが。
舞「この中に残高が入ってます。絶対に失くさないでください」
さらっと怖いことを言う舞。
この時点で10:40。入店から30分が経過しようとしていた。せんどうはこの時点で金が爆速で溶けて行く恐ろしさに震え慄いていた。
てな訳で次は台を変えガルパンの台へ。
何を隠そうせんどうは大のガルパン好き。遊びながら好きなアニメの演出も見られる。これは打たない理由がない!
即座に台へ。打ちながらみぽりんの可愛さにニヤニヤとキモヲタスマイルをしていたその時、事件は起こった。
舞「やべえwwwww」
ぼくがガルパンを打ちながら死んだ顔をしている中、隣に座って暇だからと試し打ちしていた台で、彼は大当たりを引いていたのである。
ちなみにぼくはこの時点で6千円を溶かしており、パチンコで6千円溶かした顔をして絶望していた。
なんで「ぼく」
AM11:15
残り予算¥4000
せんどうは焦りを覚えていた。
ここまで溶かして未だに当たりはゼロ。ただただ金が爆速で溶けて行く様を見届けているだけである。流石に精神が疲弊してきていた。
せんどう「とりあえずトイレ行くか」
一旦頭をリセットするためにトイレへ。
せんどう「はえ〜めっちゃ広い」
舞「パチ屋のトイレめちゃくちゃ豪華ですからね」
せんどう「やべえwwwこれ超ハイテクwwwたのしいwww」
水、ハンドソープ、自動乾燥機が一体になった手洗い場で大興奮しはしゃぐ24歳。
それほどに、彼の精神はボロボロになっていた。
用を足してからの作戦会議。
舞「もうこれ捲るには1パチ行くしかないですね〜」
もう勝ちはいいからとりあえず被害を抑えて帰りたいせんどうは焦っていた。
その証拠に、ここからの画像は殆どない。写真を撮っている余裕すらなかったのである。
その上ここから昼飯を食べる間の記憶もなかなかおぼろげで、あんまよく覚えていない。
残高4,000円のICカードを握りながらプライドを捨て、1円の方の「新海物語」の台へ。
4,000円を突っ込みとりあえず打つ。
「「くそつまらん!!!」」
舞曰く、当たればエグいが演出が映えるわけでもなくただただ退屈。延々と魚が流れる画像が流れるだけである。
こんな映像を長々と見せつけられて正気でいられるのはさかなクンと浅利七海くらいである。
耐えきれなくなり離れた時点で残り予算は2000円。頭はもう死んでいた。
この額では捲るのは不可能である。
「もう、とりあえず残りの額で遊んで帰るか……」
死んだ顔しながら1パチの方のシンフォギアへ。
うわ〜クリスちゃんやっぱ可愛いなぁ〜。楽曲もいいしやっぱシンフォギアはいいなぁ。
マリアさんが黒いガングニールのままなのは二期までしかないからかな?
とかなんとか言いながら演出を楽むも特に何が起こるわけでもなく予算が尽き終了。
……。
AM11:50
予算¥0
舞「とりあえず昼飯行きましょう」
ぼく「……ああ」
隣接しているご飯屋で舞から勧められた唐揚げ定食を待ちながら、ものの2時間で一万円札が無に帰した事実に愕然とした。
お金とは、ここまで儚く、そして失えば精神に多大なダメージを残す核爆弾なのである。
死んだ目で、ツイッターを見ている舞の横から、そっと美少女の画像をファボった。
「すこ」
「すこ」
横からファボって嫌がらなかったのは彼が初めてだった。
そしてお待ちかねの唐揚げがテーブルに来る。やはり画像はない。撮るのを忘れたのである。
二日酔いと敗北を感じながら噛みしめる唐揚げ定食の味は、吐き気がするほど美味しく感じた。
食べ終わり舞が一言。
「まだ時間早いですよ?追加で下ろしてきましょ?」
なぜぼくはあの時、制止を振り切って逃げなかったのだろう?
この時、あんな目に遭うなんて、未熟な僕には分からなかったのである。
次回、〜地獄の追加投資編〜へ続く